2013年12月27日金曜日

直前のお知らせ

いつも急転直下の沖縄で大切なお知らせは直前になることが多い。
本日、4限(法102教室)の国際社会学(今年はカルチュラル・スタディーズの理論と実践に的を絞っている)は、『独立少女紅蓮隊』(安里麻里監督2003年)を検討する。
B級映画の超大作、今日見なくていつ見る?

参考文献は以下。

松本麻里「夢想の力技・『独立少女紅蓮隊』」DeMusik Inter. 編『音の力:沖縄アジア臨界編』インパクト出版会2006年。
安里麻里(インタビュー松本麻里・首藤久美子)「フィクションだけどリアル:どこにもない<沖縄>・『独立少女紅蓮隊』」DeMusik Inter. 編『音の力:沖縄アジア臨界編』インパクト出版会2006年。
大垣有香『riot grrrl というムーブメント:「自分らしさ」のポリティックス』遊動社?年。
ダナ・ハラウェイ著、高橋さきの訳『猿と女とサイボーグ:自然の再発明』青土社2000年。
巽孝之編『サイボーグ・フェミニズム』(増補版)水声社2001年。
野田努、三田格編『ゼロ年代の音楽ビッチフォーク編』河出書房新社2011年。

2013年10月16日水曜日

統治されない技術、想定外の装丁

後期のスケジュール後に届いたスコットの翻訳。タイトルも装丁も、すごくびっくりした。

さて・・・。どうしたものか。
12月後半あたり、3年次と読むかな。

2013年度後期のスケジュール


10月4日(金)イントロダクション

10月11日(金)
上野俊哉『思想の不良たち:1950年代もう一つの精神史』岩波書店2013年。[佐久田]
田仲康博『風景の裂け目:沖縄、占領の今』せりか書房2010年。[金城・平安名]
「ライティング虎の穴」

10月18日(金)
卒論経過報告 [石谷]
タラル・アサド著、かり田真司訳『自爆テロ』青土社2008年。[岩木]

10月25日(金)
卒論経過報告 [金城、平安名]
米山リサ『暴力・戦争・リドレス:多文化主義のポリティクス』岩波書店2003年。[比嘉]

11月1日(金)
卒論経過報告 [上江洲、佐久田]
(平安名OUTPUT)
安藤丈将『ニューレフト運動と市民社会:「60年代」の思想のゆくえ』世界思想社2013年。[下地・比嘉]

11月8日(金)
ウマ・ナーラーヤーン著、塩原良和監訳、川端浩平、冨沢かな、濱野健、山内由理子訳『文化を転移させる:アイデンティティ・伝統・第三世界フェミニズム』法政大学出版局2010年。[岩木・石谷・下地]

11月15日(金)
卒論経過報告 [佐久田、石谷]
ベネディクト・アンダーソン著、山本信人訳『三つの旗の下に:アナーキズムと反植民地主義的想像力』エヌティティ出版2012年。前半[比嘉]

11月22日(金)
卒論経過報告 [金城、平安名]
ベネディクト・アンダーソン著、山本信人訳『三つの旗の下に:アナーキズムと反植民地主義的想像力』エヌティティ出版2012年。後半[下地]

11月29日(金)
卒論経過報告 [上江洲]
土佐弘之セレクション[岩木]

12月6日(金)
卒論経過報告 [佐久田]
竹村和子『彼女は何を視ているのか:映像表象と欲望の深層』作品社2012年。前半[比嘉]

12月13日(金)
卒論経過報告 [石谷]
竹村和子『彼女は何を視ているのか:映像表象と欲望の深層』作品社2012年。後半[下地]

12月20日(金)
卒論経過報告 [金城、平安名]
松原宏之『虫喰う近代:1910年代社会衛星運動とアメリカの政治文化』ナカニシヤ出版2013年。[下地・比嘉]

12月27日(金)
卒論経過報告 [上江洲]
ミシェル・フーコー著、佐藤嘉幸訳『ユートピア的身体/ヘテロトピア』水声社2013年。[下地・比嘉]

<ふゆやすみ>

1月10日(金)
ゼミ論報告 [岩木]
ジャック・ランシエール著、市田良彦、伊吹浩一、箱田徹、松本潤一郎、山家歩訳『アルチュセールの教え』航思社2013年。[下地・比嘉]

1月17日(金)センター入試前日休講

1月24日(金)
ゼミ論報告(先行研究批評)[岩木]
ダブル・ミカコの修論構想報告[下地、比嘉]

1月31日(金)17時、卒論提出期限
お疲れパーリー♪

2013年9月7日土曜日

ジェームズ・スコットの翻訳が10月刊行予定という朗報

統治されない技術、アナキストの南アジア高地史。2009年のジェームズ・C・スコットの名著、ゼミか大学院で読みたいと思いつつ、目の前のことばかりに追い立てられて、本棚に置いたままになっていましたが、翻訳が秋にも出版されるという朗報。
 これを機に、やはりぜひ後期のブックリストに加えたいと思います。

こっそりリーク、これから詰めます

春休みに土佐弘之さんに集中講義に来て頂けるかも知れない。2年次の基礎演習でいっしょに読んだ学生諸君は、耳アンテナをしっかり立てて詳細発表を待っていて下さい。

2013年4月13日土曜日

基礎演習で読むテクスト

基礎演習Iのテクストは以下のとおり。

まず肩慣らしとして、『現代思想』(特集=危機の大学)第39巻第18号(2011年12月)から。
C・ニューフィールド著、佐々木夏子訳「コグニタリアートの構造と沈黙」
鈴木哲平「大学の未来、フレンチ・セオリーの現在」
酒井直樹「哲学とポストコロニアリズム:文明的転移と『西洋/その他(the West and the Reset)』という言説」
廣瀬純「知力解放とその頭痛:新自由主義的政治状況における知識人の役割と債務」
村澤真保呂「年、青年期、大学:ポスト・モラトリアム時代の大学」
白石嘉治「未開の大学:フクシマ以後のために」
安藤丈将「『生活民』としての学びのために:1970年代日本の学習運動に見る産業社会への反省のかたち」

GW後からは本格的に3つのテーマに沿って。
[テーマ1 レイシズム]
●酒井直樹「レイシズム・スタディーズへの視座」、テッサ・モーリス=スズキ「グローバル化されるレイシズム」、エティエンヌ・バリバール「レイシズムの構築」、鵜飼哲、酒井直樹、テッサ・モーリス=スズキ、李孝徳著『レイシズム・スタディーズ序説』以文社2012年。
●松葉祥一「移民・市民権・歓待:サン・パピエの運動とバリバール、デリダ」(8章)、「民主主義でも、民主制でもなく:デモクラシーとランシエール」(9章)、「モグラの巣穴からヘビのうねりへ:管理社会とドゥルーズ」(10章)
『哲学的なものと政治的なもの:開かれた現象学のために』青土社2010年。

[テーマ2 デモクラシー]
●土佐弘之「安全保障装置とデモクラシー」(IV)、『野生のデモクラシー:不正義に抗する政治について』青土社2012年。
●アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著、水嶋一憲監訳、幾島幸子、古賀祥子訳「革命」(第6部)『コモンウェルス:帝国を超える革命論』(下)NHKブックス2012年。

[テーマ3 寛容の帝国、連帯の哲学]
●ウェンディ・ブラウン著、向山恭一訳「脱政治化の言説としての寛容」(第1章)、「文明化の言説としての/における寛容」(第7章)『寛容の帝国:現代リベラリズム批判』法政大学出版局2010年。
●重田園江「相互扶助組織の歴史と連帯」(補章3)、「贈与と連帯」(終章)、『連帯の哲学I』勁草書房2010年。

2013年前期のゼミと大学院

採り上げるテクストが決まった。金曜日はこうして、沢山の言霊に出会える。

一見バラバラのこのテクスト群だが、本当にバラバラ。それでも、とても良い仕事を成した鳥山淳さんの編集者が、この専攻の卒業生だったりして、知的な営為を結びつける地下茎のようなものが、数多のテクストとゼミ室を繋げている。タルナックの「不可視」の学生たちから、琉大の「名も無き運動」にもたらされるものは想像するだけでスリリングだし、差別の心理を考える学生が思いがけずポストコロニアル・スタディーズに手を伸ばしていたり、予備知識などなくてもタルドが読みたいと思いついてしまう大学生がいたりするのが、大学の大学たる良さだと思います。夏休みが楽しみになりました。


■前期テクスト一覧(5限は学部ゼミ、6限以降は大学院「文化研究」として。)
4月19日
ヴィジャイ・プラシャド著、粟飯原文子訳『褐色の世界史:第三世界とは何か』水声社2013年。[Vijay Prashad The Darker Nations: A People's History of the Third World (New Press: New York, 2007).]
市野川容考・宇城輝人編『社会的なもののために』ナカニシヤ出版2013年。

4月26日
(monacaセット)
向井孝『暴力論ノート:非暴力直接行動とは何か(増補版)』(黒La Nigrecoパンフシリーズ)「黒」刊行同人2011年。
不可視委員会著、『来たるべき蜂起』翻訳委員会訳『来たるべき蜂起』彩流社2010年。
『来たるべき蜂起』翻訳委員会+ティクーン『反ー装置論:新しいラッダイト的直感の到来』以文社2012年。
現代理論研究会編『被曝社会年報』#01(2012-2013)。

5月10日
マウリツィオ・ラッツァラート著、村澤真保呂・中倉智徳訳『出来事のポリティクス:知ー政治と新たな協働』洛北出版2008年。
鳥山淳『沖縄/基地社会の起源と相剋:1945-1956』勁草書房2013年。

5月17日
春日直樹『「遅れ」の思考:ポスト近代を生きる』東京大学出版会2007年。
チャンドラー・タルパデー・モーハンティー、堀田碧著、菊地恵子・吉原令子・我妻もえ子訳『境界なきフェミニズム』法政大学出版局2012年。

5月24日
中溝和弥『インド暴力と民主主義:一党支配の崩壊とアイデンティティの政治』東京大学出版会2012年。
マウリツィオ・ラッツァラート著、杉村昌昭訳『<借金人間>製造工場:“負債”の政治経済学』作品社2012年。

6月7日
フランコ・ベラルディ(ビフォ)著、廣瀬純・北川眞也訳『NO FUTURE:イタリア・アウトノミア運動史』洛北出版2010年。
仲里効『フォトネシア:眼の回帰線・沖縄』未来社2009年。

6月14日
栗原彬『「存在の現れ」の政治:水俣病という思想』以文社2005年。
(先達たちの論文から盗み取る)
村上陽子「<他者>との連帯の可能性に向けて:長堂英吉『黒人街』論」『昭和文学研究』第66集(2013年3月)。
大野光明「『沖縄問題』の『入り口』で―べ平連の嘉手納基地ゲート前抗議行動と渡航制限撤廃闘争」、天田城介・山本崇記・村上潔編『差異の繋争点:現代の差別を読み解く』ハーベスト社2012年。
上原こずえ「民衆の『生存』思想から『権利』を問う:施政権返還後の金武湾・反CTS裁判をめぐって」『沖縄文化研究』39(2013年3月)。
森啓輔「沖縄社会運動を『聴く』ことによる多元的ナショナリズム批判へ向けて:沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設に反対する座り込みを事例に」『沖縄文化研究』39(2013年3月)。

6月21日
陳光興著、丸川哲史訳『脱帝国:方法としてのアジア』以文社2011年。
(特集・大学院生のリアル)
樫村愛子「『何者』と「就活デモ」を結ぶ線」『現代思想』(特集・就活のリアル)vol.41-5(2013年4月)。
白石嘉治「就活のアンナ・R」『現代思想』(特集・就活のリアル)vol.41-5(2013年4月)。

7月5日
ガブリエル・タルド著、池田祥英・村澤真穂呂訳『模倣の法則』河出書房新社2007年。
ポール・ウィリス著,熊沢誠・山田潤訳『ハマータウンの野郎ども』筑摩学芸文庫1996年[筑摩書房1985]。[Paul E. Willis, Learn to Labour: How Working Class Kitds Get Working Class Jobs (Ashgate Publishing: London, 1977]

7月12日
竹村和子『文学力の挑戦:ファミリー・欲望・テロリズム』研究社2012年。

9月17-19日(仮)合宿企画「スピノザの夏休み」
→ドゥルーズ、バリバール,ネグリなどのスピノザ論に新装朝日家で耽溺できる(仮)企画。
(文献案)
G・ドゥルーズ著、鈴木雅大訳『スピノザ:実践の哲学』平凡社ライブラリー2002年。
エティエンヌ・バリバール著、水嶋一憲訳『スピノザと政治』水声社2011年。
アントニオ・ネグリ著、信友建志訳『スピノザとわたしたち』水声社2011年。